2016年、中田工芸は、創業70周年を迎えました。これもひとえに中田工芸をご愛顧賜りましたお客様、並びにご支援くださいました全ての皆様のおかげでありますことを、心より感謝いたします。中田工芸は1946年、創業者である中田敏雄と木製ハンガー職人との出会いからその歴史が始まりました。以後、戦後の復興、高度成長時代を通じて、店舗などの業務用ハンガーとしてファッション業界に貢献してまいりました。その間、なによりも大切にしてきたのは顧客からの信頼を守ることです。業界ニーズである品質重視、個別のデザインに対応する技術、納期遵守の徹底した生産管理の構築でした。こうした企業文化は、自社ブランド「NAKATA HANGER」の展開へも引き継がれ、一般のお客様からも評価をいただくようになりました。
私は長年にわたり日本で作り続けてきた自社の製品には世の中に知られていない可能性があると感じましたので、少しでも多くの人にその価値を伝えたいと思い、試行錯誤を繰り返してきました。その結果分かったことは、我が社のハンガーが持っている可能性は自分の想像を遥かに超えていたということです。失敗や困難もありますが、それ以上に多くの感動や出会いに恵まれたからこそ成長できているのだと感じます。更に、ハンガーは西洋で誕生したこともあり、国境や言葉の壁を超えた繋がりが新たにこの数年で生まれています。ハンガーを通して素晴らしい出会いを数多く経験している身として、まだ見ぬ出会いや出来事に期待を膨らませています。
新たな壁にもぶつかるでしょうが、どんな時も諦めずに前を向いて進んでいく決意でございます。私自身がハンガーに魅せられた一人として、これからも兵庫でハンガーを作り続けながら、全国に、世界に、Made in Japanのハンガーを届けることが我が社の使命だと思っています。それが中田工芸の経営理念である「創造し、成長する」ということを実現する道でもあります。100年企業へ向けて、これからも挑戦し続けて参りますので、今後ともご支援のほどよろしくお願い申し上げます。